決め手は“損をしない”こと。賢者に学ぶデュアルライフの始め方

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デュアラー・福島新次さんの事例

田舎暮らしには憧れるけれど、生活の拠点を完全に移すのはハードルが高いですね。

そんな都会生活者の間で注目を集めているのが「デュアルライフ」です。直訳すれば二拠点生活です。

コロナ禍によるリモートワークの普及で、仕事のやりくりのハードルは下がったが、居住費や交通費などコストの問題で二の足を踏む人は多いです。

そうした中、東京でサラリーマンを続けながら週末だけ田舎に通い、空き家を自らの手でリノベーションしながら低コストでデュアルライフを実現した人がいます。その一歩をどのように踏み出したのか?

経験を活かして今はDIYを仕事にしている福島さんに、リモートで話を伺いました。

福島 新次さん (40歳) 自営業

東京に拠点をおきながら、千葉県の空き家古民家を自らの手でリノベーションしている。

リノベーション開始から現在までの様子はyoutube(福島新次DIY HOME)にて発信中。

700万円の空き家を交渉して500万円で購入 

─空き家をリノベーションして、デュアルライフをしようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

福島さん:実は最初からデュアルライフをするつもりは無かったんです。

東京の自宅マンションを売って、780万円の利益が出たので、前から憧れていた田舎暮らしをしようと地方の家を探したところ、知人が千葉県いすみ市で築47年の古民家が売りに出ていると教えてくれました。

価格は700万円。ただし建物は老朽化し、とても住める状況ではありません。壊して更地にする前提でした。

─ならば自分でリノベーションしようと?

福島さん:ええ。壊すのはもったいないと思ったのと、その値段では引っ越し費用などを賄えないと思ったので。

だから「壊さなくて良いから、安くしてほしい」と交渉したんです。

─結局いくらになったんですか?

福島さん:半年ぐらい交渉して、結果的に500万円になりました。

─なるほど、最初は住める状態ではなく、通いながらリフォームすることになったから、結果的にデュアルライフになったというわけですね?

福島さん:そうです。

廃材などでコストを抑えながら環境に優しい家づくり

─元々DIYの知識があったのですか?

福島さん:いえ。手を動かすのは好きでしたが……。

知人に聞いたり、ネットで調べたりと手探りでやってきたという感じです。

─福島さんのDIYの特徴は、アウトレット品や廃材、頂き物をうまく使い、費用を抑えているところだと思うのですが?

福島さん:そうですね。

もちろん予算的な問題もありますが、なんでも新品で揃える現代の生活様式にちょっと違和感を感じていた、というのもあります。

─まだ使えるのにもったいない、と? 

福島さん:はい。

だから、そういうものでリノベーションすることに意義があるんじゃないかと思ったんです。

─もともと奈良の自然豊かな土地の生まれということで、自然環境に対する思いも強かったのでしょうか?

福島さん:それはありますね。

一般的には住宅の壁などに石膏ボードを使うのですが、不要になったら産業廃棄物になってしまうんです。

だからそういうものは使いたくないし買いたくない。木材だったら燃やして灰にすれば土に返すことができますからね。

<次ページ:「損をしない」物件を選ぶことが大事>

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この記事を書いた人

日刊ゲンダイやおとなの週末などで執筆するフリーライター・開運研究家のいからしひろき。
テレビやウェブの仕事もしています。得意なテーマは旅、歴史、酒、グルメ、健康など。

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