「損をしない」物件を選ぶことが大事
─今はどれ位の頻度で、東京と千葉を行き来しているんでしょうか？
福島さん：すでに母屋のリノベーションは終わったので、私は週5日ほど千葉に暮らし、用事があれば東京に帰るという感じですね。
─ご家族は東京ですか？
福島さん：はい。子供の学校の関係もありますので。
でも、週末に遊びに来たりしますよ。家のDIYを手伝ってくれたり、一緒にサーフィンをしたりしています。
─結果的にリノベーションにはどれ位の時間がかかったんでしょうか？
福島さん：2年半ですね。週末だけ通ってコツコツとやって来ました。
─よくご家族は納得されましたね。特に奥様は、どうやって説得されたんですか？
福島さん：コミニュケーションはよくとる方で、物件は全て一緒に見に行ったりしてました。
彼女も何千万円のローンを何十年かけて払うような買い物だったら不安を感じるかもしれませんが、そういう冒険ではなかったので、分かってもらえたかなという感じです。
もちろん、何度も話し合いましたけどね。
─大きな借金をするわけでもないし、損はしないからと。
福島さん：ええ。この家だって、売ろうと思えば買った時の値段ぐらいでは売れるんですよ。
相場よりかなり安いので。だから「損をしない」物件を選ぶことが大事ですよね。デュアルライフはギャンブルじゃないですから。
あとは、物件を買うのであれば家のローンを抱えているとかも、厳しいでしょうね。
デュアルライフによって変化したこと
─今はどんな仕事されているんですか？
福島さん：会社勤めは2020年の2月で辞めて、今は空き家のリノベーションで生計を立てています。
─趣味が仕事になったということですね。他にデュアルライフを始めて何か変わったことはありますか？
福島さん：そうですね。人脈は広がりましたね。
いすみ市には「薪ネットワーク」という、薪を切って欲しいと人、薪をもらいたい人を繋ぐためのコミュニティがあるんですが、僕が元々薪ストーブをやりたかったというのもあって、顔を出すようになったんです。
そうしたら同じように薪ストーブをやっている人や、カフェをやっている人を紹介してくれて……。
ご近所さんとも、道で会ったらちょっと立ち話をするような、東京よりも濃い人間関係を築けているなと思いますね。
─まさに理想的なデュアルライフですね。これから何かやってみたいことはありますか？
福島さん：こちらで暮らしていて良いなと思うのは、生ゴミをコンポストで堆肥にしたり、薪で暖をとったりという循環型の生活が送れることです。
庭のスペースも結構あるので、そこに小屋を建てて、電気を使わないオフグリッドな生活を実験的にやってみたいですね。
ゆくゆくは人が泊まれたり、そういう体験ができたりする場所にできたらと思います。
─最後にこれからデュアルライフをしてみたい人にアドバイスをお願いします。
福島さん：1番大切なのは「目的」を持つことですね。
何のために二拠点生活をするのか。
子供が小さい間だけ週末を田舎で暮らしたいのなら、家を安く借りれば済む話です。
家を買うとなると、たとえ空き家でも無駄なお金を使うことになるかもしれないので、そこはしっかりと見極めたほうがいいですね。
─夢の実現のためには、現実的な視点も必要だということですね。ありがとうございました。
編集後記
経済観念をしっかり持っている福島さん。
その経験を活かし、リフォームを仕事にしてしまうなど、まさにデュアルライフ賢者です。
空き家といえども大きな買い物。
まずは何のために二拠点生活をしたいのか、足元をしっかりと見つめることが大事だと感じました。
（了）
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