空き家の所有者には、地域の条例等によって管理が義務付けられています。
しかし、いざ自分で管理してみると、チェック漏れがあったり、思わぬトラブルがあったりとスムーズに進まないもの。
そこで今回は、基本的な空き家管理方法や手順・マニュアルを整理しました。
準備や手順は時間や費用を大きく抑えることにも繋がりますので、空き家の管理を始める前に、ぜひご参考ください。
空き家管理の目的とは?
「空き家の管理はなぜ必要なのか?」
初めて空き家所有者となった場合は、そんな疑問があるのも当然です。
まずは目的をしっかりと把握して、空き家管理の意識を高めることが大切だと言えます。
ここでは、ひとつひとつの目的を確認していきましょう。
空き家物件の維持
空き家に限らず、住宅は利用しなければ劣化が早まるものです。
場合によっては数ヶ月で腐食する場合もありますので、定期的な管理が必要となってきます。
清掃やメンテナンスを継続し、空き家物件の状態を保つことが、将来的な物件価値を担保することに繋がるのです。
そのため、売却・活用などの方針が決まっていない場合も、定期的な管理を行うことが大切です。
活用の選択肢も広げ、大切な物件の資産を最大限に生かすために丁寧な管理を心掛けましょう。
放置空き家のペナルティーを避ける
空き家の管理を怠り放置し続けた場合は、自治体などからペナルティーを科せられます。
代表的なものは、固定資産税の減免特例が解除され、約6倍もの税負担が必要となるもの。
その場合は維持し続けることも困難となりますので、最大限の注意が必要です。
不要なペナルティーを避けるためにも、定期的な管理は必要なのです。
周辺地域の環境維持
空き家物件の倒壊や破損等が起これば、トラブルに繋がるケースもあります。
また、利用していない物件は侵入されたり、犯罪の温床となる場合も少なくありません。
自身の空き家が原因で起こったトラブルは、責任を問われ、時には賠償を求められる場合もあります。このような不要なトラブルを避けるためにも、定期的な管理は必要なのです。
周辺環境に悪影響を与えなかったとしても、物件売却の際や活用を行う際に、周辺住民の協力が得られなくなります。周辺の協力は、物件価値にも繋がる大切な要素ひとつです。
物件の価値を高める観点からも、空き家の管理は必須だといえるでしょう。
所有している限り放置の選択肢はない
空き家管理の目的からもわかるように、空き家を所有している限り「放置」の選択肢はありません。
管理を怠れば自身のデメリットは多大で、さらには周辺地域にも大きな悪影響を与える事になります。
放置のデメリットを踏まえると、ご自身で丁寧な管理を行うことはもちろん、できなければ外部委託を検討するなど、早期に方針を決めておくことが大切です。
繰り返しになりますが将来的な地域及びご自身の利益のためにも「放置」の選択肢はなく、「定期管理」をする必要があると言えます。
空き家管理を始める前に行うこと
空き家を所有した際、最初に取り掛かる内容を整理しておきます。
行き当たりばったりで管理を進めるのではなく、事前準備を行うことが大切です。
管理プランを立てて、効率的に管理を進めて行きましょう。
毎月最低1回!計画を立てておく。
まずは空き家管理を実行するための、全体計画を立てておきます。
目安となるのは、最低でも月1回程度の訪問。
空き家物件はもちろん、地域の環境を乱さない為にも、定期管理は必要なのです。
全体的なスケジュールを把握しておけば、お仕事や予定の調整もしやすくなり、日程があやふやになり面倒になって、放置してしまうケースを避けることができます。
自身の負担も大きく軽減できますので、事前計画は管理の要といえるのです。
空き家管理の必要経費を概算しておく。
自宅から離れた場所に空き家物件がある場合は、交通費などの費用概算をしておくことも大切です。
空き家管理に必要な道具などを含め、事前に費用を概算しておけば、早期に予算の修正や対策を行うこともできます。
この際、交通費や準備、管理にかかる経費が明らかに高額となる場合は、空き家の管理を外注することも含め、管理の手段を再度検討すると良いでしょう。
<参考記事>“空き家”となる実家の維持費用とは?維持する際の注意点から、対策のポイントまでをお伝えします。|空き家活用Lab
空き家管理の際のチェックシートを作成する
自身で空き家管理を行う際は、抜け漏れのないようチェックシートを作成することがお薦めです。
WEBサイトなどで提供のチェックシートもありますが、物件や周辺環境により項目は変わります。ご自身の物件にあわせたオリジナルシートを活用すれば、効率的な管理の助けとなるでしょう。
そのほか、日々の気になることや掃除の進捗などを記入する、管理ノートの活用もお薦めです。
修繕を行う箇所や次回実行することを書き留められ、後々に経緯確認も可能ですので、自身で管理する際には、ぜひ活用してみて下さい。