空き家管理当日の準備
さて、いよいよ実際に空き家管理作業を行っていきます。
当日は最適な服装や持ち物を用意し、作業が滞らないよう段取りをしておくことが大切です。
ここでは、服装・所持品のほか、当日に行う内容ことを確認していきます。
必要な所持品
基本的な管理に必要な所持品は、以下のようなものです。
・軍手(ビニール手袋)
・洗剤
・スリッパ
・ライト(電気停止中の場合)
・ごみ袋
・雑巾/バケツ
・ほうき(掃除機)
・工具(ドライバーなど)
・ウエットティッシュ(水道停止中の場合)
・管理チェックシート
これら以外にも、電気を止めている場合は防寒・冷却グッズがあると便利です。
また、修繕個所や清掃の進捗を記録・共有する際には、カメラがあると非常に助かります。
そのほか、植木などの選定が必要な場合は、剪定鋏や脚立なども準備しておくと良いでしょう。
服装
服装は動きやすく、汚れても良いものを選ぶのが基本です。
窓ガラスを拭く際や雨の日などは、雨合羽やナイロン製の衣服があれば非常に助かります。
100均などにある雨合羽を、数着ストックしておくのも良いでしょう。
また当然ですが、夏や冬など季節にあった服装が必要となります。
蜂や害虫などに刺される恐れもありますので、季節素材の長袖を選ぶことがお薦めです。
そのほか、必要に応じて長靴などを活用し、効率的に作業を行いましょう。
周辺住民へ事前の挨拶
忘れがちですが、周辺住民への声掛けは非常に大切な作業のひとつです。
目的としては定期訪問するうえで、周囲に不安を与えないよう断っておくことですが、自身が管理を継続するうえでも多大なメリットがあります。
それは自身が訪問できない際に、物件状況を確認できたり、助けを依頼できることです。
周辺住民との関係性が良くなれば、生活の中で自然と監視の役割もしてくれます。
また、将来的に空き家を手放す際も、周辺住民の後押しで有利に進む場合も少なくありません。
情報の共有ができる点も助かりますので、まずは周囲への挨拶を丁寧に行っておくことが大切です。
空き家物件の管理ルーティーン
ここでは空き家物件を実際に管理する上での、基本ルーティーンを確認していきます。
あくまで基本のルーティーンになりますので、自由にカスタムしながらご参考下さい。
定期管理を効率的に行うための注意点も、項目ごとにあわせてご紹介します。
①周辺確認、施錠確認
空き家物件に到着したら、物件周辺を回り異常がないかを確認します。
また、前回訪問時の施錠が保たれているか、玄関やそれぞれの窓を確認することも大切です。
理由は侵入者や倒壊などの有無を確認するため。
確認することでその後の作業を安心して行えますので、面倒ですが実施しておきましょう。
②換気を行う
空き家内の不要な湿気や埃を取り除くため、充分な換気を実施します。
できればすべての窓を網戸にして開け、場所によっては換気扇を回すなどして、しっかりと風を通すことが大切です。
戸棚やタンスなどの換気も忘れずに行い、カビ等の繁殖を防ぐことが物件の維持に繋がります。
③内部のメンテナンスとチェック
次に、空き家内の管理ルーティーンをみていきましょう。
〈壁や天井のチェック〉
まずは壁や天井に劣化や破損が無いかを確認します。
確認の方法は直接手で触り、足で踏んだりしますが、床が抜けそうな部分などには注意が必要です。雨漏りなどを含めた確認を行い、汚れている部分のチェックも合わせて行います。
時間に余裕があればワックスなどを使用し、より綺麗にしておくことがお薦めです。
〈家具や建具のチェック〉
家具や建具についても、定期的なチェックが必要です。
扉を開け閉めし、家具を動かして確認を行います。
窓が開けにくかったり、扉が開きにくい場合は、修繕するか修理依頼が必要です。
建物の傾きによる建具の不具合もありますので、早期発見・早期修繕が建物自体を守ります。
〈室内清掃とメンテナンス〉
全体の汚れや清掃が必要な場所を把握したうえで、実際に内部清掃を行っていきます。
掃除の際は初めのチェックを参考に、時間配分を考えながら進めると効率的です。
ホウキやハタキを使って埃やゴミを綺麗にし、モップや雑巾などで清掃を進めて行きます。
〈水道や電気のチェック〉
水道や電気が通っている場合は、蛇口をひねったり、スイッチをつけて異常がないか確認します。
この時、約1分程度水を流したり、通電してみて確認するのが基本です。
水を停止している場合は、排水溝のにおい対策を行っておく必要があります。
下からにおいや虫が上がってくるので蓋をして、防いでおきましょう。
④外部のメンテナンスとチェック
そして、庭を含めた家の外周のメンテナンスを確認していきます。
〈ゴミ拾い〉
周囲のチェックも兼ねて、まずはゴミ拾いを行います。
住んでいない空き家は、動物の侵入などがあり様々なゴミが入りこむものです。
細かいところまで丁寧に確認し、清掃を行いましょう。
また、地域によってゴミの分別方法・ゴミ袋の種類も異なるので注意が必要です。
作業前には地域のルールを確認し、自治体の指定に従ってごみの処分行います。
〈郵便物の確認〉
空き家の場合は郵便物が溜まりやすいので、定期的な処分が必要です。
必要な手紙が届いている場合は住所変更を行い、チラシが溜まる場合は口を塞いでおきます。
ポスト内に溜まったチラシを放置しておくと、周囲に飛び散るだけでなく、不在であることが分かり、侵入される原因にもなるので注意が必要です。
安全確保のためにも、忘れず対処しておきましょう。
〈庭や周辺のメンテナンスとチェック〉
庭木などを含めた庭のメンテナンスも重要な作業です。
植木が倒れていたり、樹木が敷地から出ていないかを確認し、早めにカットする必要があります。
来月も管理に来るからと持ち越すと、予定や病気などで数ヶ月来れないケースもあるもの。
伸びすぎた庭木はトラブルの元となりますので、早めの対処をしておきましょう。
〈外壁や塀の確認〉
空き家の外壁やブロック塀などの確認を行います。
床や天井のチェックと同様、触って確認し、修理が必要であれば早めの対応が必須です。
特に外壁やブロック塀の倒壊は、周辺住民の怪我にも繋がり、賠償が必要となる場合もあります。
気を引き締めたうえで、念入りに確認をしておきましょう。
〈水道メーターやゴミ捨て場の確認〉
利用していない空き家の水道メーターが動いていれば、水が漏れている場合があります。
配管の劣化をチェックする意味でも、毎回メーターのチェックも行いましょう。
また、敷地内のゴミ捨て場などが荒らされていないかを確認し、必要に応じた対処をする作業も必要です。
以上が、空き家管理の基本ルーティーンです。
自身の物件の状態や条件によってカスタムし、オリジナルシートの作成にお役立て下さい。