連載＃２｜30年の仲間の秘密基地も出現！商店街は意思の複合体、その未来とは

2021年8月8日2023年5月30日

何をやるにしても、市場の人たちの“意志”が大事

和田　一般開放はしてないんですよね？

ぐる☆　したいんですけどね。コロナがなかったらしてたと思います。

和田　同じようにものづくりが好きな人に使ってもらいたい？

ぐる☆　そうそう。でもなかなかいないですよ。

和田　発信したら興味ある人が来るんじゃないですか？

ぐる☆　僕らこんなことを30年以上やってますからね、なんとなく分かるんですよ。例えば飲み屋で盛り上がっても、次の日になったらもう忘れてる。「でも俺はやるけどね」みたいな3人が奇跡的に集まったのでこんな風にできてますけけど。

和田　でもすでに土台はできてるじゃないですか。だからこれを使いたいという人は出てくるんじゃないかと。例えば星野さんが教えるとか。

ぐる☆　ワークショップとかは出来ますよね。山本は木工、ぼくともう１人は音楽。岡山の時には模型もやってましたし。３人共通するのがハードウェアとソフトウェア。

和田　坂本さんはシェアオフィスをやりたいそうですよ。

ぐる☆　僕らは仕事としてやってるわけじゃないですからね。

和田　というと？

ぐる☆　商売っ気を出すとそれ目的の人が集まって来ちゃうじゃないですか。そういう人たちは、まだ商売に火をつけたらあかんねんっていうタイミングでも稼ごうとしたがる。そういうのは僕ら嫌いなんです。
投資やと思って場所の提供をタダでするとか、よっぽど盛り上げてからじゃないと、アイデアは本当の形にはなりません。商売も必要だってことは分かるんですけどね。

和田　しかしこのまま何もしなければ、商店街自体が無くなってしまう。
後継者問題を一緒に考えて上げるとか、そうしたことをきっかけに何かを始めれば、ある瞬間まるでオセロで四隅を押さえたらパタパタパタと白黒が入れ替わるような、大きな変化が起きる可能性はあると思うんです。

佐藤　いずれにせよ、ここは市場なわけだから、市場の人たちの思いを大切にしたいですよね。でも真正面からそれを大切にするのは結構大変だから、周りを面白くして、盛り上げて行くっていうのも一つの方法かなと。

ぐる☆　結局市場の意志やと思うんです。C-SPACEみたいな場所が沢山できたら面白いけど、それが市場の意志じゃないじゃないなら意味がない。
やっぱり八百屋さんあり、魚屋さんあり、肉屋さんありってのがたぶん市場の意志だと思うから、僕らもそれを邪魔したくはないんですよね。