連載|これからの民泊(3)

【第1回】連載|これからの住居 -民泊編(1)-

【第2回】連載|これからの住居 -民泊編(2)-

今後の民泊や空き家に必要な価値とはなんでしょうか?

立地、建物のデザイン、設備、様々な要因が考えることができますね。

目次

ゲストが求めている価値とは

例えば、星野リゾートが展開するOMO

OMOシリーズの中には、スタッフがゲストと一緒に近隣のお店をハシゴするというサービスがあります。

スタッフの方に話を聞くと、普段からホテルの周りのお店に行ってお店のレパートリーを増やしているとのことです。

私も利用しましたが、最後には地元や常連の方しか行かないようなお店にも行くことができました。

その他にも、住み放題サービスであるADDress

家守という管理人がいることで、その土地を案内してくれたり一緒に御飯を食べに行ったりとすることができました。

ここで提供されていたのは宿泊できる場所ではなくて体験です。

物理的な価値ではなく、ゲストが感じる感動や喜びなどの心情的な満足度が価値となっています。

物理的価値から体験価値へ

従来では、観光地に近くて便利、温泉があるなどの物理的な価値が提供できていればゲストの獲得が可能でした。

しかし、2020年夏に予定されていた東京オリンピック・パラリンピックの影響もあり多くのホテルや旅館が開業しました。

民泊が認知され始めた以降にはライフスタイルホテルなど、従来のホテルとは違うアプローチから開発し、デザイン性に優れたホテルなども増加してきました。

こうした「商品」が増えてきたことで、物理的な価値だけで選択することが難しくなってきています。

だからこそ、体験の価値が重要視されるようになっています。

これからのサービスとは

近年は、新規で開業するホテル・旅館のクオリティはかなり高くなっているという実感があります。

そのため、ゲストのホテル・旅館に対する期待値は年々上がっている傾向にあります。オシャレなデザイン、高品質なサービスであっても期待値を上回ることが難しくなっています。

「想定以上の価値を感じることができた」と期待値を超える商品設計をすることがリピーター獲得には不可欠となってきました。

私はこうした商品を設計をするうえで、物理価値より体験価値に重きを置いています。

様々なホテルや旅館を利用して実感したのは、物理的な価値では刹那的な満足しか得られないということです。

最初は良いですが、その後はその価値に慣れてしまい段々と感動が薄れてきてしまいます。

体験的な価値、特に直接人がサービスを提供すると、その満足度が持続して記憶にも残りやすいです。

体験価値を作っていくことで重要なことは、ゲストが求めているもの、ゲストがどこに価値を感じているのか仮設、検証しながら理解することです。

効率を求めて、ここをサボってしまうと、不思議なものでゲストには伝わります。

企業視点ではなく、顧客視点で追求することで、その物件が提供できる価値を最大限に引き出すことができるのではないでしょうか。

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この記事を書いた人

賃貸管理、ホテル運営、レンタルスペース運営、シェアハウス管理の経験を経て、使い方(運営)で不動産の価値を最大化する事業を行っています。プライベートでは、家を持たず転々とするアドレスホッパーをしています。

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