自分を満たす場所だから、大切な人を癒すことができる。働きながら創る新しい空き家活用のカタチ

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日常から離れて立ち止まれる、余白のある場所。
元気をくれたシェアハウスのような「場」を鎌倉にも。

―仕事をされながらの活用。意志の強さが垣間見えたのですが、そもそもシェアハウスを立ち上げたいと思われたきっかけを教えてください。

コロナで自宅での自粛を求められた時期には、皆さんと同様大きく生活が変化しました。勤務もリモートとなったことで、リアルな人との関係が遮断されたことが私には結構ダメージがあったみたいで、実は気持ち的に少し落ち込んだ時期があったんです。

そんな時期に「これは環境を変えなければ!」と感じて1ヶ月の滞在を決めたのが、長崎のシェアハウスでした。

施設環境としては自然の豊かな立地の古民家に、5人程度が入れ替わりで暮すようなスタイルで、短期と中長期のステイを目的に様々な方が訪れる場所でした。また、ワークスペースのある施設でしたので、フリーランスやIT系の企業で勤務されている方、映画監督をされている方までいらっしゃったりと、背景の異なる方々に出逢うことができて毎日が刺激的でした。

東京に帰る頃には、すっかり元気を取り戻すことができていました。普段私のいるコミュニティは職場の同僚が中心でしたので、ビジネス観点での刺激はもちろん、私個人の人生においても非常に学びの多い1ヶ月だったと、今振り返っても感じますね。

このような体験を通して、「同じような場所を東京近郊にも創りたい!」と思い始めたことが、シェアハウス立ち上げに取り組み始めたきっかけです。生き方やその後のキャリアを考え、自分自身に向き合うことにも繋がった貴重な体験。長崎の自然豊かな地域で経験したこの体験を、同じような壁にぶつかっている方にも提供できればという想いが、シェアハウスに取り組む原動力となっています。

―具体的にはどんな方向けのシェアハウスとなりそうですか?他にも将来的なビジョン等があれば聞いてみたいです。

日常で周りを見渡すと、やりたいことがあって希望の会社に入ったけれど、日々大変なことや厳しい環境に揉まれて、疲弊している人が意外と多いなあと感じます。まさに以前の私もその一人で。大切な感情が鈍って、なにをしたいか分からなくなってしまう瞬間があったり、忙しく頑張ってるけどどこか幸せを感じられていない。そんな状況の人って周りにも沢山居るなあと思っていて。

そんな方が長崎まで行かなくとも、鎌倉なら都心から一時間くらいでこれるし、自然の中でちょっと立ち止まって心を休めたり、暮しを見つめ直したりすることができれば、本来の元気を取り戻すきっかけになると思っています。江の島まで歩いて20分くらいの片瀬山エリアを選んだのも、コンセプトにぴったりだと感じたから。自然の中にありつつも観光地の喧騒からは距離を取れます。

施設内には用途を確定しない”余白”のスペースも作りたいと考えています。そのスペースの使い方はフレキシブルに、民泊・ワークスペース・イベントスペースなどに活用できるようにしたいと思っています。ワーケーションに来たり、ゲストや住民がイベント開催できるようにしたり、使っていない時は民泊として海外のゲストと交流できたりと、外の風が入り、住んでいるだけで色々な生き方に触れられる場所にしたいです。

色々な方と出逢うことで、少し自分の生き方や暮らしを見つめ直し、心の余白も取り戻して貰える環境づくりをしていけたらいいなあと思っているんです。

<次ページ:所有者の想いを、ご縁を、大切にする。>

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この記事を書いた人

特区民泊アパートメントホテル運営中のフリーライター。感性に触れたコトを読み手の暮らしに触れるモノに。出雲に生まれ、もう長いこと大阪で暮らしています。

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