熊本移住・自然農・空き家シェアハウス　移住者と共につくる、住まいと農作物と暮していく町。

2022年2月4日2022年8月19日

子供たちが幸せに暮らせる町を、移住者と共に創っていく。

― 大変興味深い、空き家を使った町興しの取組みですが、自治体との連携もされていますか？

園田　一部自治体とは既に協力している部分もありますが、その地域や自治体の考えをみて連携するようにしています。姿勢や意向が合わないと、、事業スピードが遅くなる場合もあるんです。柔軟な考え方やスピード感をお持ちの市長さんや、協力いただける自治体も確かにあるので、連携するとことろは協力して今後もやっていきたいと思います。

竹林の管理から地域にある資源の活用方法を提案する

― 竹林の管理をしているという株式会社竹組の取り組みについて教えてください。

園田　株式会社竹組の事業では、竹材の利活用を通じて竹害問題に向き合っていますが、これも豊かな熊本の自然を守るための活動でもあります。無秩序となった竹林を放置は周囲の自然破壊に繋がるので、それを防ぐ活動です。

一方で、伐採した竹を製品化するのですが、その使い道も沢山あります。例えば、竹炭にすれば油、水、空気も綺麗にしてくれる性質があり、住宅の床下に入れると、消臭・調湿・防虫などの効果があるんです。熊本は他の地域に比べて多湿な地域ですので、床下に敷くだけでも快適に長く住める環境を整えることができます。

また、体内に取り込んでも同様の効果が期待できるので、デトックスサプリメントの開発も進めているところです。既に九州大学の教授や医学博士にも協力いただいていますので、良いものができると思います。そのほか、食品メーカーからの問い合わせも増えていますし、そのままの竹材に色を塗って、建材として提供してます。音楽の野外フェスへの提供も結構あるんですよ。

この竹組の事業や自然農を通して、豊かな自然を守りながら、地域にある資源を上手く活用できる人を育てていきたい。そんな想いでやっています。

子供たちと共に大人も学べる教育の場を。

― 空き家の活用と町興しについて今後の展望をお聞かせください。

園田　20年後に消滅すると予測される地域もあるので、人が増えることで地域や自然を残すことを目指しています。移住者が増えれば仕事がしやすくなって、できることが増え友達も増える。利益を追及するというよりは楽しく暮らすことで、生活がより豊かになって行く未来を想像しています。

また、熊本市の周辺には3つのフリースクールがあるのですが、県内外からの問い合わせも非常に増えています。現代では「子供がどこに住みたいか」で家族が暮す場所を決める方も少なくないので、フリースクールのある地域は、田舎でも人気がでると感じているんです。

だからその周辺の空き家情報はいつも気にしていますし、実際そのうち一つのフリースクールには関わっていきたいと考えています。そこも空き家を活用した施設で、敷地も1,000坪程度あり自然も豊かな環境です。竹材などでモノをつくったり、農業したりすることができる場所を子供達に提供し、大人も一緒に学べる教育の場となればと考えています。

私にも2歳と3歳、それから13歳の子供がいますので、自分の子供達が安心して学べる環境を用意してあげたいです。今後多くのAIが活用される社会となっても、”食べること”や”つくる”こと、”水”や”伝統”を大切にすることはこれからも変らないはず。だからこそ、自然と共に共生し、遊びや生きる知恵などを一緒に学べる場を、つくっていけると良いなと思っています。子供たちが正しい知識を身につけて、土地の良さを理解して愛せるように、自分のできることからやっていきたいですね。

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