終活の考え方、話し合い方
終活を考える時期に早すぎるということはない
終活を考え始めるのに、早すぎるということはありません。終活を考える前は漠然と空き家を維持したいと思っていたとしても、空き家を管理するための年間コストなどを具体的に考えることで、売却へと舵を切る場合もあるでしょう。あらかじめ売却の準備がしてあれば、相続時に余計な手間をかけずに済むのです。
この余計な手間については後程「空き家の売却 認知症になってからでは遅い」で説明いたします。
自分の終活を考える
では自分の終活のために、どのような手段を取ればいいのか考えたいと思います。終活についてもやもやと悩むようであれば、まずは簡単なところから動いてみましょう。
≪終活のやり方が分からない場合 まずは専門家に相談しよう≫
終活について、なにから手につけていいか分からない場合は、自治体などでおこなっている終活セミナーに参加してみると良いでしょう。セミナーでは最新の葬儀事情や介護・遺言・保険・お墓の選び方・お葬式についてなどを専門家がアドバイスしてくれます。
もしくは、FP(ファイナンシャル・プランナー)に相談し、ライフイベント表、キャッシュフロー表などで自分の状況を『見える化』してもらいますと、終活はぐっと考えやすくなります。終活について、足がかりを得ることで円滑に進めることが可能です。
≪終活ノートを作ってみる≫
セミナーやFPに相談するのに抵抗がある方は、まずは終活ノートを作ることをおすすめいたします。終活ノートは、何も難しいことはありません。
ノートを1冊容易し、以下10点についてまずは思いつくままに書いてみましょう。
- 1 家財や荷物の片づけ
- 2 資産・財産の把握(銀行口座、年金、株、債権など)
- 3 家族へ伝えたいこと
- 4 サービスの解約や見直し
- 5 連絡リスト(病院、生命保険会社、友人など)
- 6 デジタル系の処分(SNS、携帯など)
- 7 葬儀をどうするか
- 8 お墓をどうするか
- 9 家をどうするか
- 10 延命処置や介護をどうしてほしいのか
それぞれの項目について最初はメモ書き程度を書くことで、自分の中にある意思が明確化し、その後メモをまとめながらノートに書き出すことで、やるべきことが整理できます。
9番の家をどうするかの前に、家の価値や家の状態についても調べて置くと良いでしょう。家の価値は不動産屋などに依頼すれば、相場情報、レインズ、土地総合情報システムなどを使って調べてもらうことができます。
≪子どもと話し合うことの重要性≫
子どもや配偶者がいる場合は、相続にも関係してきますので終活ノートなどにまとめたことを基本に話し合っておきましょう。
なかなか自分が死んだ時の話をするのはやり辛いことではありますが、今は新型コロナウイルスが感染拡大していることで、入院などをした場合家族でも病室に入れず、家族に会えないまま亡くなってしまう人が多くなっています。
終活をしておけば、家族に「ありがとう」や「ごめんなさい」を伝えたい場合にメッセージを残すこともできますし、何よりも死んだあとに迷惑をかけないですむのです。
親の終活を考える
次に子どもの視点で考える、親の終活です。なかなか子どもの立場で、親に「終活をきちんとしてくれ」とは言えません。親の終活について、どのように話を進めればいいかを考えてみましょう。
≪親との終活の話し合いには注意が必要≫
終活は非常にナイーブな話です。まだ元気な親に対して死ぬことを前提に話をしますので、伝わり方次第では親に「もう年をとって用済みになっている」と印象を与えてしまう場合も。
私もなんとなくお墓の話を母にした際に、「今はまだそんなのは考えたくない!」と激怒されてしまいました。人の死についての話し合いですので、慎重さが求められます。
≪法事や葬式は終活の話をするチャンス≫
終活の話題を振りやすい場として、一番は法事やお葬式の後です。さすがに親族がいる前で話すのは難しいですが、もしも話題に相続の話などがのぼるようであればそれをきっかけに親と話し合ってみるとよいでしょう。
テレビなどで放送された終活やエンディングノートのことをきっかけに、話し合うのもいいでしょう。テレビで具体的な映像を見ることで、より終活のイメージがしやすくなります。
≪親の終活だけでなく、自分の終活も考えてみよう≫
終活は、何も老い先短い人だけが考えるものではありません。30代を超えたら一度自分の死生観を見つめなおすために、自らの終活を考えてみるとよいでしょう。自分の終活は、究極のライフプランニングです。終活を共有することで、親との話し合いもしやすくなります。