「終活」について、生きている間にこの話題を切り出すことに違和感を感じる方は多いのではないでしょうか。しかし、日本では高齢化が進み、それによって様々な問題が生じています。特に、子世代が親から相続した自宅を放置することによって空き家になってしまい、増え続けている空き家問題は深刻です。お子様との想い出が詰まった大切なご自宅。家族との歴史が刻まれているかけがえのない家だからこそ、愛するご家族に喜んで使い続けてもらいたい。だからこそ、今終活が重視されています。終活とは、ご自身の最期の期間を充実させてくれるものであるだけでなく、残されたご家族の人生も豊かにしてくれる大切な準備といえます。この記事では、終活の意味から相続を含めた不動産整理の方法について、詳しく解説をしていきます。
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今更聞けない終活の定義とおおまかな流れ
終活という言葉が広く使われるようになって久しくなりますが、その本当の意味するところは何でしょうか?
そもそも終活とは?
端的にまとめると「終活=人生の最期を迎えるための活動や準備」となりますが、人の一生や死生観、またあなたを取り巻く環境はまさに千差万別です。自分が亡くなった後では、誰かに連絡を取ることも、気持ちを伝えることも、家族に感謝することもできません。
その意味で終活とは、「死という人生の最期と向き合い、その瞬間まで自分らしく過ごしきるための準備」と言えるでしょう。今までの人生を振り返り、残される家族のことを想い、これまでお世話になった人たちへの気持ちを綴る中で、自身のやりたいことや叶えたい夢もはっきりとしてきます。
また、終活は決してネガティブなものではありません。ご自身の意思をしっかりと伝えられる間に整理しておくことで、残された家族や友人が幸せに生きていくための最後のお手伝いをすることができるものです。ご自身のために、そしてご家族や愛する人々のために。できるところから始めてみませんか?
終活をすることで享受できる3つのメリット
終活を行うのと行わないのとでは、ご自身もご家族も環境が大きく変わります。ここでは、終活を行うメリットとして大きく2つの観点から見ていきましょう。
①目標がはっきりとすることで、余生に対し前向きになれる
歳を重ねるということは知識や経験が増えていく良い面もありますが、体の衰えやできなくなることと向き合う厳しい側面もあります。ともすれば、気持ちがふさぎ込んでしまう時間も、人生という長い期間から見れば最終幕の重要なステージです。やりたいことや叶えたいことを書き出すことで、目標が具体的になり、充実した時間を過ごすことができます。
②遺産相続のトラブルを回避することができる
残された愛するご家族が自身の死後、争う姿は誰もが見たくないはず。ご自身の資産を明確にすることによって、ご自身の意思がしっかりと反映された財産整理をすることができます。とりわけ、分割が難しい不動産は相続争いの元になるケースが少なくありません。
生前贈与や遺言によって相続をするのか、処分によって財産として分割するのか。予め決めておくことで、相続したご家族もご自宅を持てあますことなくスムーズに活かすことができます。
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