空き家をワークスペースとして活用する際の注意点
前項ではウィズコロナ時代でも低予算で始めることができる空き家活用法を5つご紹介してきました。
とはいえ、現在では宿泊だけ、レンタルスペースだけといった特化型のサービスで収益をあげていくのは時間がかかります。
時間帯や曜日ごとに用途を変えていくスタイルであれば、早い収益化を目指すことが可能です。
中でも、日中はワークスペースとして活用することを中心に夜間宿泊も可能な民泊ミックスタイプ、曜日ごとにシェアサロンとワークスペースといった用途を使い分けるなど、ワークスペースといずれかを組み合わせる「ワークスペース×kakeru」という活用法はおすすめです。
ただし、ワークスペース以外の用途で使用する際に各種の法令が関係してくるケースが多く、そこを踏まえておかないと最悪の場合営業停止となることも。
ここでは、そういった落とし穴にはまらないよう、空き家をワークスペースとして活用する際の関わってくる法令と注意点を中心に解説していきます。
ワークスペースとして提供する際の営業許可は必要?
ワークスペース単体で営業を始める場合は、必ず許可を取らなければならないものはありません。ただし、ワークスペース以外のものとスペースを共有する場合はそれぞれ許可が必要になってくるので、注意が必要です。
戸建ての場合は借りる人の用途によっては騒音問題などのトラブルが起こりやすいので、用途は予め明確にし、近隣へのご挨拶をしておくとスムーズに始めることができます。
また、マンションの一室を活用する場合はマンションの規約がありますので、転貸や商用ができない場合があります。事前に必ず確認をしましょう。
仕事の合間にほっと一息。ドリンクなどの無償提供は可能?
結論から申し上げますと、コーヒーメーカーを置いてドリンクを無償提供するなど、カフェやレストランのような方法は食品衛生法による規制があります。
また、ウィズコロナの観点からいっても、衛生的にお勧めできません。
費用はかかりますが、簡易冷蔵庫を設置して自動販売機のような既製品を販売するスタイルであれば可能です。
ジモティーなどのアプリを活用し、無料や格安で小型冷蔵庫を入手するなど、工夫次第では費用なしで設置できます。
キーレスなど感染対策への配慮
ワークスペースでは不特定多数の人が出入りします。コロナウィルスによる感染拡大が止まらない現状では、直接手で触れることなくドアが開けられるドアオープナーなどもヒット商品になるほどです。
電子鍵やスマートロックなど、キーレスによる感染対策への配慮が必要になってきます。
最近では、クラウド上で必要な時間帯に必要な人の入出を許可するサービスや、工事不要で設置できる電子鍵もありますので、ご予算に合わせて検討することが可能です。
民泊とワークスペースを共有することは可能か?
両立すること自体は可能なのですが、民泊を営業する場合は別途営業許可が必要になります。
民泊を営業するには大きく分けて3つの法律と種類があります。いずれにしろそれぞれの法律に基づいて民泊は営業しなければなりません。
安易な気持ちで夜間もワークスペースとして貸出が可能と考えるのは危険です。
ワークスペースと民泊を両立したい場合は、民泊として許可を取ったうえで、戸建てであれば、ワークスペースとして貸し出す専用部屋を決めるなどの対策が必要になります。
ただし、新法民泊による営業を始めている、あるいは始めようとしている方は、年間の営業日数が180日以下と制限があるので、民泊として使用できない日数をワークスペースとして活用して、総合的に利用率を100%に近づけることができるので、メリットは大きいと言えます。
コロナ時代を生き残る!空き家を活用するメリット
空き家をワークスペースとして活用する際の注意点は前項で触れてきました。
コロナ禍以前は民泊だけで収益を上げていた物件でも、コロナ禍によって厳しい状況になっているケースも増えています。
ここでは、空き家をワークスペースとして活用するメリットとスタートアップとしてどのような設備が必要かを解説していきます。
メリット
①民泊などの宿泊業と比べて許可が必要ないため、手軽に始めることができる。
※ただし、飲食物の提供には許可が必要
②在宅ワークに切り替えた人達の需要が増えている
ウィズコロナ時代では、これが最大のメリット言えるかもしれません。どの業種も軒並み、収益が大幅に減少している中で、右肩上がりに需要が伸びている活用法です。
感染リスクを低減するため企業がテレワーク・リモートワークを導入していますが、家庭では仕事をする環境を整えることが難しい人もいるため、ワークスペースの需要が増加しています。
③事業を始めるにあたって、設備投資が安価
どのようなタイプを展開するかによって、多少費用は変わってきますが、民泊を始めるよりは費用が安い場合が多いです。
特に、大型デスクやチェア、間仕切りなど、個人のDIYでも安価かつ短期間で製作可能な設備が多いので、事業開始までの時間が早いのも大きなメリットです。
ワーキングスペースとして活用のスタートアップガイド
①貸会議室
分類 | 内容 |
什器面 | デスク、ソファ、ホワイトボード、プロジェクター※、プリンター、Wi-Fi設備 |
設備面 | トイレ、感染対策(衝立、消毒液など) |
管理面 | 鍵(入退室管理)、清掃 |
※ソファはチェアで代用できるので、立地条件や用途に応じであってもいいと思います。
※プロジェクターについては、マストではありませんがビジネス利用が多い立地では喜ばれるものです。最近では安価で小さなものも出ていますが、リサイクルショップなどで揃えてもいいと思います。
※Wi-Fi設備についてですが、工事が関わると賃貸の場合はオーナーの許可が必要になってくる場合もあります。工事不要で縛りなしのポケットWi-Fiでも、よほど田舎ではない限り速度はきちんと出るので、そういったものを検討されると費用を抑えることができます。
②シェアオフィス・コワーキングスペース・レンタルオフィス
まずは、シェアオフィス、コワーキングスペース、レンタルオフィスの違いと特徴を知りたいという方はこちらの記事をご覧ください↓
今更聞けない?!テレワークとリモートワークの違いと「空き家×テレワーク」を解説 | アキカツマガジン
分類 | 内容 |
什器面 | デスク、ソファ、ホワイトボード、プロジェクター※、プリンター、Wi-Fi設備、充電ポート※ |
設備面 | トイレ、感染対策(衝立、消毒液など)、キッズスペース |
管理面 | 鍵(入退室管理)、清掃 |
※ソファはチェアで代用できるので、立地条件や用途に応じであってもいいと思います。
※プロジェクターについては、マストではありませんがビジネス利用が多い立地では喜ばれるものです。最近では安価で小さなものも出ていますが、リサイクルショップなどで揃えるのも1つの方法です。
※Wi-Fi設備についてですが、工事が関わると賃貸の場合はオーナーの許可が必要になってくる場合もあります。工事不要で縛りなしのポケットWi-Fiでも、よほど田舎ではない限り速度はきちんと出るので、そういったものを検討されると費用を抑えることができます。
※シェアオフィスは個室の要素が強いので大き目の机が無くてもいいですが、コワーキングスペースはオープンスペースになるので、大き目の机に感染対策の間仕切りというスタイルが一般的です。
※コワーキングスペースの場合は、同時に複数の方が訪れるので充電ポートなど電気回りを複数用意しておく必要があります。
※小さなお子様がいるご家庭では、感染予防の観点からお子様を預けられない、またはご家庭で面倒を見ている方も増えています。そういった方向けにキッズスペースがあるワークスペースの人気は高まっていますが、他の方は静かな環境で仕事をしたい場合は利用控えに繋がる場合があるので検討が必要です。
まとめ
コロナ禍を受けて企業と個人に”ウィズコロナ”という「新しい働き方」が求められるようになりました。
テレワークの導入率は34%を超えましたが、企業側にとっては準備期間もないままに緊急的な対策であったため、労働生産性の改善効果の実感は9.7%にとどまっています。
また、個人を見てもテレワーク・リモートワーク経験者は、通勤時間が減る、休暇が取りやすくなったなどのメリットがあります。
しかし一方では、生活と仕事の境界線が曖昧になったり、家庭で仕事に集中する環境を作ることが難しいなど、新しい働き方を継続するには課題が残されている状況です。
このような中で、個人が「働き方」を見直す機会になり、生活や家庭を意識する人が増えています。
空き家の活用についても、これまでは民泊を中心とした新しい事業を空き家を使って始める個人が増加していましたが、観光客の激減、感染防止への対応などに苦戦する中で、ウィズコロナ時代に合った活用法が模索されています。
内閣府の「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化調査」からは、地方移住への関心の高まりと20代・30代を中心とした新規ビジネスの立ち上げへの取り組みが明らかになりました。
この記事では、ウィズコロナ時代でも低予算で始められる空き家活用法をご紹介。
特に、テレワーク・リモートワークの導入により、家庭で仕事をする環境を得られない方へ向けたワークスペースの提供を中心に詳しく解説してまいりました。
未だ終息の目途が立たない新型コロナウィルスの感染拡大。
世の中の仕組みが大きく変化しても、空き家を活用する方法は沢山あります。
弊社「空き家活用株式会社」では、空き家を専門とする企業としての独自のノウハウと信頼の実績があります。
空き家をお持ちの所有者の方も
空き家の利活用をしたい企業の方も
ウィズコロナ時代を乗り切る、新しい空き家の活用を一緒に考えてみませんか。
以下のフォームより、お気軽にお問い合わせください。
(了)
|
|
<「空き家」に興味が湧いた皆さまへ>
|
|
「空き家」は皆様が思うよりも、価値がある、良いものがたくさん
- 空き家って、こんなに新しいんだ?
- こんな歴史のある家、最高。しかも、ちょっとのリノベで使えた!
- こんな素晴らしい環境にある!
- (逆にここに新築物件は出来ないよな・・・)
そう、「空き家」は【埋蔵不動産】です。お持ちの「未活用不動産」でお悩みの方も、不動産を探されている方も。価値があふれる【埋蔵不動産】として、処理や活用をともに考えてみませんか? まずはご状況、ご要望を整理させていただきます。お問い合わせください。
お問い合わせフォーム:https://aki-katsu.co.jp/contact/
※私どもは不動産会社でも建築業でもございません。
「未活用物件」「空き家」の情報を自治体さまとの連携などもしながら収集し、関わる方のお悩みに相談する窓口としての専門会社です。
https://aki-katsu.co.jp/
よくある問い合わせ・お悩み、ご希望
<不動産を所有の皆さま>
- 「未活用状態」の不動産をもっていて、困りごとが・・・
- うちの実家を、どうやって活用しようか悩んでいる
- もっと良い活用の仕方や、使ってくれる方はいないかな・・・
<不動産を探している皆さま>
- 古民家風な「空き家」が欲しい!
- 郊外や自然豊かな場所に、移住したい、二拠点生活をしたい
- DIYをしてよい物件がほしい
- 不動産会社ではなかなか見つからない希望がある・・・
- 事業用の物件を探しているが、出回っている物件はすぐに決まってしまってじっくり検討できない・・・
お問い合わせフォーム:https://aki-katsu.co.jp/contact/
※私どもは不動産会社でも建築業でもございません。「未活用物件」「空き家」の情報を自治体さまとの連携などもしながら収集し、関わる方のお悩みに相談する窓口としての専門会社です。