Laugh Out NAKATSU(ラフアウト中津)での出会いがプロジェクトのきっかけ
吉本興業株式会社・稲冨さん(左端)と弊社和田(右端)
——そもそもこのプロジェクトが生まれたのは、 ラフアウト中津でのてつじさんと和田さんの出会いがきっかけだったそうですね?
(吉本興業・稲冨さん)そうですね、まず ラフアウト中津のオープン時(2019年12月)に吉本の芸人さん達に「今度こういうの始めるんです」とご説明に回ってたんですが、いの一番に「面白そう」って食いついてメンバーになってくれたのがてつじさんでした。
その後、空き家問題に取り組む和田さんがメンバーになってくれて、てつじさんに「面白い人が入られたんで、紹介させてください」って引き合わせたら、一気に話が進んでって。
気がついたら、(てつじさんが)家を買う話になってました(笑)
旗振り役をやるっていうことに留まらずにそこまでできる人って、なかなかいないですよね。
(弊社和田)てつじさんがそうやって、まず先頭を切って走ってくれたから、みんなが一気に走っていった、というところはありますね。
—— ラフアウト中津とはどういった場所で、どのような展開を見据えているのでしょうか?
(稲冨さん)僕は吉本の社員になって18年目で、もともとはマネージャーやテレビ番組・ライブのプロデュース、劇場の支配人をやったり、いわゆる“吉本っぽい”仕事をずっとやってきたんです。
それが昨年12月にラフアウト中津がオープンして、ここを任されることになったんですが、考えているのは“吉本っぽくないこと”をどんどんやっていきたいな、と。
”吉本興業という組織が主導権を握って何かをする”という世間的なイメージを変えていきたいなと思っているんです。
——ピラミッド型組織の典型、といったイメージを変えたいのですね。
たとえば今回、和田さんとてつじさんがつながって空き家のプロジェクトが生まれましたけど、「空き家問題への取り組み」って吉本っぽくないですよね?
そんな風に、ラフアウト中津がどんどん面白い人達の出入りする場になって、この人とあの人が組んだらこうなった、っていう反応がたくさんできて、結果的に「吉本って最近、変なこといっぱいやってんな」って思ってもらえるのが理想です。
だから、“吉本っぽくない”面白いことが次々に生まれる場として、ラフアウト中津というコミュニティを大事にしていきたいですね。
自ら汗をかくからこそ、共感が生まれて人が集まる
プロジェクトについて熱く語るてつじさん
——話は戻りますが、てつじさんはなぜ、最初に自ら空き家を購入しようと思ったのですか?
自分がクラウドファンディングに興味を持っていろいろ見ていた時に、お金を出したいなって思ったのは、起案者が身銭を切ってたり、自ら汗をかいているプロジェクトだったんですよ。
さっき言ったように、僕のクラウドファンディングって“お金を集める”プロジェクトじゃなく“人を集める”プロジェクトなので、人に集まってもらうのに、自分が最初に動いていなかったら失礼じゃないですか。
自分が汗をかいてるからこそ、興味をもったり共感してもらえて、人が集まってくれるんです。
だから、日本酒をつくるのもまずは自分で田んぼを買ったところからスタートして、「田んぼはもうあります、みなさん一緒にやりませんか?」というプロジェクトにしたし、今回も同じです。
ただ…ようするに自分が「面白そうだな」と感じたからしてるんですよね。
イベントとか映画を観にいくような感覚で、「てつじが面白そうなことしてるから、ちょっと参加してみるか」という風になって欲しいと思っています。
「“面白いこと”をやりたいだけで、芸人の仕事も空き家再生プロジェクトも自分の中で区別はないんです」
——そもそも、なぜお笑い芸人でありながらさまざまなクラウドファンディングを手がけるようになったのしょうか?
よく聞かれるんですけど、「お笑い芸人のかたわら、クラウドファンディングをしている」みたいな感覚ってまず自分の中になくて。
ただ「面白いことをやりたい」っていうのだけがあって、「面白いことをする」を仕事にしている人を世の中では「芸人」と呼ぶだけ、という風に考えています。
だからテレビに出たり、舞台で漫才をするのと、空き家再生プロジェクトの活動をしたりするのとで、自分の中で区別はないんですよ。
芸人との両立は大変じゃないですか、とも聞かれるけど、芸人の仕事とクラファンって分けて考えてないので、両立という感覚自体なくて、まったく苦にならないですね。