腰本さんがいるから栗山町にする。新しい移住基準のヒントと、空き家問題

昨今の社会情勢もあり、田舎暮らしや二拠点生活がブームとなっています。でも何を基準に「その場所」を決めたらいいのか?そもそも誰に相談したらいい?
そういった悩みを持っている方は少なくないはずです。

一緒に悩んでくれて、話していて楽しい移住コーディネーターがいる、だからそこにする。
そう思えるコーディネーターさんに出合いました。

お話を伺ったのは北海道栗山町で移住コーディネーターとして活躍する腰本さん。

初めての職責。前例のない立場とどう立ち向かい、移住希望者や実際に移住された方々とどのように交流を深めているのか。
栗山町の魅力とともにご紹介いたします。

目次

栗山町の基本情報

栗山町という名前をこの記事で初めて目にした方も多いと思いますので、まずは栗山町についての基本情報を確認していきましょう。

<栗山町ってどこにあるの?>

「栗山町移住促進プロモーションサイト」
今回お話を伺った腰本さんがご活躍されている北海道栗山町。
https://www.google.com/maps/@43.0278977,141.7844265,12z
札幌の少し東、新千歳空港のある千歳市からも車で北上して1時間かからずにアクセスできます。

町名の由来はアイヌ語で「ヤム・ニ・ウシ(栗の木が繁茂しているところ)」。自然豊かで、のどかな田園風景が広がる栗山町。

<人口・高齢化率>

人口は11,568人、高齢化率は40%(令和2年)と全国平均の28.4%を大きく上回ります。

<栗山町へのアクセス>

空路だと新千歳空港が最寄り。空港からは車での移動がおすすめで、レンタカーを使えば50分くらいで栗山町へ着きます。JRの場合はまず札幌に出てから乗り継いだり、高速バスに乗り換えたりとやや遠回りになります。フェリーでも小樽や苫小牧から1時間半と好立地。

栗山町にこの人あり!移住コーディネーター腰本さん
移住コーディネーターというお仕事を始めたきっかけ

ー 栗山町で移住コーディネーターさんは他にもいらっしゃるんですか?

私一人です。今年で3年目になりますね。

ー多方面でご活躍されていますが、移住コーディネーターというお仕事に就かれたきっかけを教えて下さい。

栗山町には若者定住推進課という部署があり、「くりエイトするまち栗山町」を合言葉にクリエイターの移住を推進しています。その一環として、5年ほど前から駅前で「くりやまクリエイターズマーケット」という、ハンドメイド作家さんの出展場所兼地域の皆さんと(商店街の活性化推進も含めて)交流できる場所を運営しています。

くりやまクリエイターズマーケットのFacebookリンク➡https://www.facebook.com/kuriyamaCM/

私も元々出展作家としてマーケットで活動していました。そのうちに、担当の方から「栗山町への移住を希望している方への対応をきめ細やかにできるようなシステムを、地域おこし協力隊でもなく、役場の職員でもないという立場で作りたい」と考えているという話を耳にし、「面白そうだから私がやりたいです!」とお話ししたのがきっかけです。

ーこれまで無かった新しい役割に挑戦するというのは、凄い熱意と行動力ですね。

ありがとうございます。今でこそ、”移住コーディネーター”や”移住コンシェルジュ”は全国的に増えてきていますけど、その担当の方が作ろうとしていた時はまだまだ草創期だったので、ルールや体制を一から作り上げて行くのは大変だったと思います。

腰本さんにとって移住コーディネーターとはどういうお仕事ですか?

「第一村人であること」です。栗山町は札幌からも近いんですが、全国的に見てまだまだ知名度が低いので、”栗山町ってどこですか?”というところから入られる方が多いんです。
なので、この町に興味を持って関わってくださった方には、「栗山町でこの人と知り合いになったからまた遊びに来よう」だとか、何年か後に再び移住することを考えたときに「栗山町には腰本がいたな。また相談してみるか」など、栗山町といったら想い出してもらえる存在になることを第一の目標としています。

腰本さんから見た栗山町の魅力は?

個人的には、「この町にはとてもポテンシャルがある」と思っています。

私たちの町は立地や交通条件は近隣の自治体と大して変わらないのに、まだ無いものが結構あります。例えば、空き家の活用で言えば、他の町では空き物件をリノベーションしたカフェなどが増えていますが、栗山町ではまだまだ少ないのが実情です。
なので町の面白さを感じて新しいことをやるなら、ここ栗山町でもいいかなと思ってくれた人にとっては、「ポテンシャル=入り込む余地」がまだまだあることが魅力だと思います。

加えて、町にはノスタルジックな雰囲気が漂う場所がいくつかあるんですね。
例えば栗山町には北海道最古の酒蔵である「小林酒造」がありますが、そこに一歩入ると時空を超える感覚を覚えるというか。町では随一の観光スポットですが、そこにいる人たちはお高くとまっておらず、どうぞいらしてくださいというウェルカムな感じ。、敷地内では四季折々の姿を見せる木々や花を愛でながら、素朴な街歩きができるところも魅力です。

また、「雨煙別(うえんべつ)小学校コカ・コーラ環境ハウス」は、廃校になった木造校舎をリノベーションした自然環境教育の拠点ですが、建物の外観と周りの田園風景がマッチしていて心奪われます。
内部はレトロな雰囲気で、訪れるたびに懐かしい感じがしてほっとします。

雨煙別小学校前面

美しい田園風景と調和した歴史ある空間に身を置いてゆっくりと過ごすと、本当に心が満たされるような気がします。そんな風に感じながら過ごせる場所があるところが、個人的にはとても気に入っています。

          栗山町の素敵な風景を撮影したVlog(画像を押すとリンクに飛びます)

<次ページ:栗山町、空き家の現状と、移住Cとしての多様な取組み>

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この記事を書いた人

リラクセーションサロン・大手コンビニ・福祉業界と異色の経歴を持っています。今は田舎に戸建てを借りて都内と二拠点生活するフリーライターです。

次世代が活躍できる舞台づくりをフィールドワークにしています。

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