新しい働き方の普及やライフスタイルの多様化によって、郊外空き家の活用を考える人が増え始めています。
静かな場所や自然豊かな環境のある東京都近郊の郊外は、幅広い活用ができるエリアであることも注目を集めている理由。
しかし、多くの人が活用の方法を知らず、あきらめてしまうのが実情のようです。
空き家活用するうえで気になるのは、”空き家の修繕方法”といった基本的なことから、店舗活用ならば”郊外で集客できるか”や”商売として成立するのか”など現実的な部分まで様々。
この点がクリアになれば、空き家活用の歯車は勢いよく回り始めるのではないでしょうか。
そこで今回は、千葉県八千代市にある古民家カフェ「cafe.hiyori」を訪れ、オーナーの安藤尚子さんにお話を伺いました。
ランチタイム以外にも多くのお客様が来店される人気のお店。2021年にオープン3年目を迎え、経営にともなうエピソードは空き家活用の参考にもなるものでした。
安藤尚子さん/「cafe.hiyori」オーナー
プロフィール
千葉県八千代市にて2019年2月に「cafe.hiyori」をオープン。
空き家をセルフリノベーションした店内は、昭和レトロ感が落ち着くと評判で、SNSや口コミ等によってファンが増加中。
コンセプトのひとつに発酵食を据え、化学調味料不使用で国産食材に拘った、料理やスイーツを提供。その味わいや可愛い見た目も人気を集めている。
Instagram:https://www.instagram.com/cafe.hiyori/?hl=ja
Facebook:https://www.facebook.com/cafehiyor
こだわった人に、こだわった空間で
「モノを大切にすることを、たくさんの人に伝えていきたい。」
以前から古道具や古家具が好きな私は、高価なモノでなくても拾って洗って使ったりしてしいます。お店の家具や内装に使用しているモノも、実は古道具屋さんから譲って貰ったり、閉められる店舗にお願いして貰ってきたりしたモノばかり。
大量生産でモノが溢れる豊かな時代だからこそ、ひとつひとつのモノと丁寧ににお付き合いしていく大切さを、特に若い世代に伝えていきたいんです。
私自身、子育てが一段落したタイミングということもあり、母屋(現在cafeを運営している建物)を店舗貸しできるようにリノベーションをすることに。深く考えずにどんどん進めていったんです。
ところが、リノベーションが終わり「じゃあ、いくらで貸そうか」と考えたときに、”貸す”ことは難しそうだね、となっちゃって。
それなら自分でお店をしてみようと決意し、オープンしたのが2019年の2月です。
2021年で3年目を迎えますが、メニューを見直したり、SNSを活用したことで、連日多くのお客様に来ていただけるカフェになりました。
古き良きモノを沢山の人に伝えたい
「cafe.hiyori」の店内のアンティーク感がありますが、それは古いモノを活用しているからです。古道具や空き家のような昔ながらのモノって、長く使われているだけあって、そのモノにしかない良さがあるんですよね。
気に入った古家具を集めて内装したお店は、私のこだわりの場所。その店内で麹などの発酵食品や地産地消の食材、安心の国産食材を使用した、こだわりのメニューを提供しています。
「こだわりのものをこだわりの空間で」は「cafe.hiyori」が大切にしているコンセプトです。古いモノの良さや長く大切に使うことの素晴らしさを沢山の若い方にもお伝えしていきたいという想いです。